自分のアタマで考えよう - 知識にだまされない思考の技術
読書感想文です。
- 作者: ちきりん,良知高行
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2011/10/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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自分のアタマで考えることができていない人は以外と多いようです。
それは、「知っていること」つまり「知識」と、「情報に基づく思考」がごっちゃになっているからです。
かくいうこむつまもその一人。
では、どうしたら自分の思考を育てることができるのか?
本書にはその具体的な方法が書かれています。
例えば、筆者は「自殺に関する統計」を例にあげて、データ分析の仕方を読者に教授します。
データを眺めていると、
「平成9年と平成10年では自殺者数が8千人も増えているが、なぜだ?」
とか
「東京は圧倒的に自殺者数が多いけれど、10万人あたりの自殺者数はそんなに高くなく、意外だ」
というように、目の前に示されたデータによって、今まで「自殺」に関してなんとなく持っていた知識が整理され、新たな疑問が生まれてくるのです。
それを「なんでだろう?」と考える、つまり「思考する」。
これがすごく「楽しいこと」だと筆者は読者に教えます。
与えられた情報を疑いもせず、「正」として思考停止状態に陥るのは、悩まずに済み、ある意味幸せなことだけれど、とても危険です。
知れば知るほど世の中は、「それっておかしくないか?」と言いたくなるようなことで溢れています。
何事にも、常識にすらとらわれないことの重要性。
世間でまかり通っている価値観を鵜呑みにせず、
「本当にそうか?」
「みんなはこう言うけれど、それって本当に正しいのか?」
と、自分のアタマで考えられないと、どんどん自分を見失います。
自分のアタマで考えることは、自分で自分の人生を選択すること。
知識にまどわされず、常識に飲み込まれず、それが他人からすると突拍子もない答えでも、それが自分にとって「正」であるならば、「合理的な非常識」を優先させるべきなのです。
話は変わって。
こむつまの旦那は公務員をやっているのですが、「役所の常識は世間の非常識」と揶揄される通り、日々の業務の中でも、
「冷静に考えるとこの仕事のやり方おかしくないか?改善の余地があるだろう」
と、感じることがしばしばあるようです。
こういうときに大切なのは、「自分の意見、考えを持った上で、上司に質問する」ことだそうです。
「私は○○だと思いますが、どう思いますか?」と上司に伝える。
「昔からこの方法でやってきたから」という回答であれば、その上司は思考停止状態。
こういう上司が多いのも残念ながら現実のようですが、しかし、思考停止状態の上司ばかりでもないそうです。
役所の中にも、旦那の疑問を真正面から受け止めてくれる人はいるとのこと。
「確かに君の言い分ももっともだ。ただし、このやり方については、○○法の第△△条に定義されている。我々は公務員であり、法に定められた手法できちんと運用しないといけないんだ」
という回答を提示してくれる上司であれば、
「では、法律の範囲内で運用できる、より良い手法を考えましょう」
と、旦那の仕事も前向きに進んでいくようです。
自分のアタマで考えることって重要ですね。
ではでは、See you later, alligator.