こむつまの日記

東京から熊本に移住したごく普通の専業主婦が思い出を消費するブログです。

社会の理屈、個人の感情 「死へのイデオロギー -日本赤軍派-」

本日は、パトリシア・スタインホフ著「死へのイデオロギー -日本赤軍派-」の感想文。

 

図書館で借りて読みました。

 

どういう本かといいますと、一言で「米国人の女性社会学者による赤軍派連合赤軍日本赤軍の考察」となります。 

死へのイデオロギー―日本赤軍派― (岩波現代文庫―社会)

死へのイデオロギー―日本赤軍派― (岩波現代文庫―社会)

 

 

こむつまは、1970年代に今の日本では想像もつかないような事件を引き起こした「新左翼」と呼ばれる人々に非常に興味を持っていまして、関連書籍をよく読んでいます。

 

例えば、個人的なお気に入りは、東アジア反日武装戦線「狼」の三菱重工本社ビル爆破事件を取り扱った、松下竜一著「狼煙を見よ」です。 

狼煙を見よ―戦後ニッポンを読む

狼煙を見よ―戦後ニッポンを読む

 

 

知っていますか? 

大道寺将司という人物を。

 

新左翼に「興味を持っている」と言いましても、どれだけ彼らのことを学んでも、こむつま自身、「新左翼」の人々に共感を覚えることは無く、むしろ違和感しか抱きません。

 

ただ、こむつまが生まれる前の日本において、何が彼らのこういった行動を引き起こしたのか、個人の資質や適性の問題なのか、時代と思想の問題なのか、それとも構造的に不可避な何かの力ためにそういう行動に追い込まれたのか、と興味は尽きないわけです。

 

色々な書籍をどれだけ読んでも答えは分からないのですが、こむつまが当時生きていたとして、同じような状況におかれた場合、自分も新左翼の人と同じことをした可能性があるのか、と考えてしまいます。

 

個人の思想・感情は理屈より正しいのか。

それとも、社会の理屈に従うのではなく、個人の感情に沿って生きるべきなのか。

 

 

「死へのイデオロギー」に戻りましょう。

 

本書のメインテーマは副題にもなっている「日本赤軍」なのですが、こむつまがグッと引き込まれたのは、第一部「岡本公三」です。

 

ここでは、テルアビブ空港乱射事件で逮捕された岡本がまだ元気な頃に受けたインタビューを読むことができます。

思想、動機、犠牲者への感情、親や兄弟への思いなど、共感できることは何一つないのですが、それでも読む価値はありますね。

 

それと、恥ずかしながら、この熊本県出身岡本公三という人物の詳細を、こむつまは今回初めて知りました。 

九州の、特に熊本の若い人の中で、岡本公三のことを知っている人がどれだけいるんでしょうか・・・

同郷の犯罪者なんて、学校じゃ絶対に教えませんもんね。

 

 

本書全体を通して言えることですが、米国人筆者ならではといいますか、時代の雰囲気や社会を覆う暗黙の了解事項から、自由に、淡々とこの事件をレビューし、日本的な行動様式に関する指摘を加えている点が非常に面白いです。

 

あるところでは突き放し、あるところでは素朴に感心する、といったような、「闘争」を主観的に担った当事者では決して言えない観察も、ところどころにあります。

 

米国人筆者がとりまとめた本書から、これからの日本人は何を学ぶことができるのでしょうか?

  

ではでは、See you later, alligator.

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