こむつまの日記

東京から熊本に移住したごく普通の専業主婦が思い出を消費するブログです。

「無国籍ジャングル」か「ジャパンプレミアム」か「グローカル」かの3択です。

渡邉正裕氏著「10年後に食える仕事 食えない仕事」という本を読みました。

10年後に食える仕事、食えない仕事

10年後に食える仕事、食えない仕事

 

 

2015年の年平均値ですが、日本の完全失業率は3.4%となっています。

若年者ではこの割合はさらに高くなっていると言われているのですが、その理由は、本書によれば「経済がグローバル化しているから」です。

 

例えば、こむつま家も愛用している某ユニクロのように、商品の企画やデザインは日本国内で行い、縫製は人件費の安いベトナムなどで行った服を輸入すると、低価格が実現できます。

 

このことは、消費者にしてみれば、自分のお金の価値が上がる(同じ額のお金で服がたくさん買える)わけですから、文句はありませんよね。

一方で、生産者・労働者の立場からすると、日本の縫製業者の仕事を減らし、廃業するか、海外に移転するかのどちらかを迫られていることになります。


少しややこしくなりますが、この現象は、服というモノを輸入していると同時に、海外の安い労働力を輸入して消費していると見ることもできます。

 

人件費が安い外国でモノを製造して輸入し続けると、国内で同じモノを製造する場合も人件費を下げなければ価格的に対抗できなくなるわけですから、国際競争力を維持しようとすれば、人件費(賃金)の押し下げ圧力が働くことになります。

そして、それがどんどん進みますと、理論的には同一生産性の労働者の賃金は世界中で同じになるはずですよね。

もちろん、その均衡点は日本の水準からはるかに低い位置にあるわけですが。

 

ですので、グローバル競争にまともにさらされる職業である、工場の労働者や運転手、事務員、店員などの世界では、均衡点までの賃金の低下という重力から免れることは絶対にできないのです(理論上は)。

 

では、どうしたらいいかと言いますと、筆者は、この特段の付加価値の高いスキルも必要とされない職業群である「重力の世界」とは異なる、「無国籍ジャングル」「ジャパンプレミアム」「グローカル」という3つの職業群のいずれかで戦うこと(3つのどれかに属する職業に就くこと)を推奨しています。

 

※本書では、グローバル時代の職業マップを下記の4つに分類しているのです。

  1. 重力の世界
  2. 無国籍ジャングル
  3. ジャパンプレミアム
  4. グローカル

 

一つずつ紹介しましょう。

 

「無国籍ジャングル」とは、デイトレーダーとかファンドマネージャー、芸術家といった、国境を越えた天才的な人材しか競争に勝ち残れないジャンルです。

ですので、一般人にとってはあまり現実的な選択肢ではありませんね。

 

「ジャパンプレミアム」は、住宅営業、人材紹介、海外の対邦人営業、ケアマネジャー、日本料理人、栄養士、造園師、染色・着物職人、味噌・しょうゆ・酒製造工といった、日本人特有のきめ細かさや几帳面さ、チームワークを活かして成果を上げることのできる職業です。

日本の独自カルチャーに深く関連した職業とも言えます。

 

最後に「グローカル」ですが、これは、高級官僚、政治家、新聞/テレビ経営、グローバル営業、マーケッター、プロデューサー、医師・歯科医師、弁護士、薬剤師、不動産鑑定士、建築士などであり、日本人メリットを活かしつつ、ホワイトカラーとして高付加価値なスキルを身につけて外国人労働者からの高い参入障壁を築く職業です。

法規制や商習慣などにより日本人以外には不向きなエリアですね。

 

 

筆者は、現状、「重力の世界」にいると気づいた人は、一刻も早く抜け出すことを推奨しているのですが、日本の社会は成熟しており、労働市場も今後ますます流動化していくはずですから、仮に現在「重力の世界」の職業であったとしても、他のセグメントに移っていくことは可能でしょうし、結局は自分のやる気次第だとこむつまは思います。

 

ではでは、See you later, alligator.

旦那の禁酒継続期間:77日