自由には“financial independence”が必要
こむつまは最近流行のミニマリストのようにストイックには生きられない人間です。
嗜好品にお金を使っちゃうタイプなんですよ。
一方で、「私がバリバリ働いて、家にじゃんじゃんお金を入れるわ!」という気力があるわけでもありません。
旦那の稼ぎに頼るお気楽専業主婦なのです。
でも、お金に苦労したくはありません。
お金が原因で自由が奪われるのは避けたいです。
そんなワガママ熟女のこむつまですが、最近、投資信託の勉強をしています。
旦那の給料が今後大きく伸びていく見込みもないし、自分が働きに出る考えも無い以上、お金に働いてもらうしかないという単純な結論からです。
で、最近、以下の2冊を読みました。
「〔入門〕投資信託のしくみ」は、「入門」とは言いつつも、やや難しい内容でした。
確かに入門者向けだとは思うのですが、まだ投資信託を1回も買ったことが無いこむつまのような人がこの書籍を読むのはおススメできませんね。
株をやっている人ならともかく、「資産運用を始めたくて、初めに興味を持ったのが投資信託」っていうような方が最初に手に取る本としては、教科書的な専門用語のラッシュでオーバーフローするんじゃないかなと。
はい、こむつまはオーバーフローしました。
もう一方の、「5本柱でコツコツ育てる積立て投資信託入門」は本当に入門書という名前にぴったりの内容で、投資の「と」の字も知らないこむつまでもサラッと読むことができました。
専門用語はほとんど使われておらず、「まずは投資信託に興味を持ってもらいたい」という著者の思いが伝わる内容でした。
以下の説明なんて秀逸でしたね。
伊丹十三監督の「マルサの女」で、山崎努さん演じる巨額脱税者のこんな感じのセリフがありました。
「金を貯めようと思ったら使わないこと。冠婚葬祭に何万も出していたら金は残らない。100万も使えば残らない。10万だって使わなけりゃ10万残る。ポタポタ落ちてくる水の下でコップに水をため、半分しかないのに飲んでしまうのは最低。なみなみでも飲んじゃダメ。溢れて、垂れてくるやつを舐めて我慢する。」
お金に執着してはいけないのでしょうが、資本を作らなければ、お金は増えないという、お金を増やす肝がここにはあります。
要するに、資産運用の第一歩は間違いなく貯金であるということを本書では説明をしているわけです。
こむつまの資産運用に他人がお金を出してくれることはあり得ません。
旦那がいただいてくるお金の中から貯金をしなければ、どうやっても何もおこりません。
積立て投信に入門するには、とにかくその手前にある「貯蓄の門」をくぐることから始まるのです。
本書でも使用されているこの「貯金の門」という言葉は、東京帝国大学の教授で林業の専門家であった本田静六氏(1866-1952年)の「貯蓄の精神」を表したものとして有名です。
貯蓄の精神 本田静六
何人も「貯金の門」をくぐらずに巨富には至り得ない
貯金なくして投資なく、利殖なし。蒔く種が何も生やすことができぬからである。
本多静六は林学博士という肩書きを持ちながら、独自の蓄財法と投資法で一代にして巨額の財産を築くことに成功し、晩年にはそのほとんどを寄付したという人物です。
彼はどのように投資を学んだのか。
それは本多静六が林学を学ぶため、ドイツへ留学していたときのことです。
彼があまりに貧しそうだったので、留学先のドイツ人教授が蓄財法を教えてくれたそうです。
帰国後、実行したのが「本多式貯蓄法」。
「本多式貯蓄法」は、強制的な「種銭」の作り方になります。
その内容はいたってシンプル。
・通常収入の4分の1を天引き貯金する。
・臨時収入の全部を貯金する。
たったこれだけです。
「残ったら貯金しよう」では「貯金はできない」という前提にたっています。
しかし、可処分所得(給与所得-社会保険料・税金)の25%を天引きして、残り75%で生活するというのは、これはかなりきついですよね。
こむつま家は旦那の手取り月収が20万円ですので、毎月5万円を天引きし、残りの15万円で家族4人が生活することになりますね。
給与所得が上がれば楽になると考えがちですが、生活レベルも上げてしまうので常にきついわけです。
少し脱線しますが、「パーキンソンの法則」というのを御存じでしょうか?
第1法則は、「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」で、
第2法則は「支出の額は、収入の額にまで達するまで膨張する」というものです。
人間、安きに流れるということですね。
話を戻しましょう。
「本多式貯蓄法」ですが、「天引き貯金」だけでは小金持ちで終わってしまいますよね?
留学先のドイツ人教授は本多静六に、貯金という「足し算」の次のステップも教えてくれたそうです。
それが、不動産や株への投資という「掛け算」です。
当時、日本は近代化に向かっていたのでドイツ人教授は土地や株を買うことを本多静六に進めたのです。
これはヨーロッパ人知識層が、資産形成(種銭→投資→資産)という明確なプランを持っていたことを示唆しています。
長い歴史を持つヨーロッパでは、国の浮き沈みを経験しているため、個人が資産形成の重要性を認識し実行しているのでしょう。
通常収入の4分の1を天引き貯金する。また、臨時収入の全部を貯金する。
そして、それを種銭として土地や株を買い資産運用を行う。
こうして書くと呆れるくらいに単純ですが、この方法を本多静六は25歳の時から15年間継続し続けた結果、年棒よりも利息が多くなったといいます。
積み重なった複利のパワーは実行した者に平等に与えられるということです。
高度成長期が過ぎ、長期停滞期の中にある日本人も、西洋人と同様に資産形成の重要性を認識し実行する必要があります。
いつの時代も自由には“financial independence”が必要で、スタートは本多静六の「天引き貯金」からだろうと思います。
不確実な時代に国家は経済的リスクを抱えています。
物価が大幅に上がり、税金も上がるが年金は大幅に減額される、といった最悪のシナリオにも対処しなければなりません。
こむつまも投資信託を始めようと思います。
投資にまわされるお金は働くお金。
今の自分のためではなく、未来の自分のために働いてくれるお金です。
さあて、SBI証券の口座でも作ろうかな。
ではでは、See you later, alligator.