移動祝祭日
ヘミングウェイの移動祝祭日を読みました。
- 作者: アーネストヘミングウェイ,Ernest Hemingway,高見浩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/01/28
- メディア: 文庫
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いやー、一言で感想を言いますと、「パリに行きたい」ですね。
ヘミングウェイの描写力すごすぎ。
奥さんとつつましいながらも幸福な暮らしを送っている様子や、パリの街の描写がもうとにかくピカピカに輝いていて、眩しすぎます。
翻訳者(高見浩氏)の能力も高いんでしょうけど、ヘミングウェイの文章はとにかく美しいです。
単語は平易で、簡潔。
冗長すぎず、でもパリの情景を表現するために過不足がない美文。
繰り返し読んでも飽きません。
ヘミングウェイは1921年から6年間、22歳から27歳という最も多感な時代をパリで過ごしました。
本書は、そんなパリで過ごした若かりし日々のことを晩年のヘミングウェイが回想し綴った、遺作エッセイです。
本書の冒頭に、ヘミングウェイが友人に送った言葉が記されています。
"If you are lucky enough to have lived in Paris
as a young man, then wherever you go
for the rest of your life, it stays with you,
for Paris is a moveable feast"
もしきみが幸運にも
青年時代にパリに住んだとすれば
きみが残りの人生をどこで過ごそうとも
パリはきみについてまわる
なぜならパリは
移動祝祭日だからだ
本書の原題は、「A Moveable Feast」です。
もちろん訳すと「移動祝祭日」で、毎年日にちの代わる祝日なわけですが、ヘミングウェイは「きみについてまわる」祝日と表現しています。
パリの美しい日常風景は、その人のその後の人生を豊かなものにするのです。
ではでは、See you later, alligator.