公務員革命:彼らの〈やる気〉が地域社会を変える
公務員をやっている旦那が年末読んでいたので、こむつまも借りて読んでみたこちらの本。
公務員革命: 彼らの〈やる気〉が地域社会を変える (ちくま新書)
- 作者: 太田肇
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/10/05
- メディア: 新書
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公務員の怠慢に対するバッシングが激化する中、地方の貴重な人的資源である地方公務員のやる気を引き出し、地域の活性化のために活躍してもらうにはどうすればよいかということをテーマに、筆者は経営組織論の考え方から、公務員の「やる気」を引き出す方策を提案しています。
そして、あくまでも組織の活力を高めるための前向きで実践的な内容に徹して書かれており、非常に読みごたえがあります。
役所以外の組織論としても活用出来そうなアイデアもあり、地に足のついた実用的な本ですね。
例えば、以下のような指摘。
「満足を感じるときと不満足を感じるときの要因は違う」
満 足:達成、承認、仕事そのもの
不満足:給与、上司との人間関係、作業環境
やる気を引き出す方策といえば、こむつまなんて「給料の引き上げ」くらいしか思いつかなかったわけですが、外部から褒めてもらうこと、兼業の解禁といった外部資源の活用によってモチベーションを引き出せる、という筆者の提案には、非常に新鮮な驚きを感じました。
公務員として働く人にも、そうじゃない人(特に、民間で人事をやっている人)にも読んでほしい一冊です。
本書を読んでいて思い出したのですが、数か月前、どこかのブログで、「公務員は若者の未来を変えることができない」という記事を読みました。
要旨としては次のようなものだったと記憶しています。
- 小中高生の教育を変えたい、若者の支援をしたい、といった理由で公務員になる人がいるが、それは間違いである
- 公務員組織とは、何かを劇的に変えるためにあるのではなく、社会基盤を問題なく運営することにあるため
- 「教育をよくしたいから公務員!」といった感じで変な理想を持っている人は、危険なので考え直した方が良い(公務員では教育を変えられない)
- そもそも、公務員になっても、希望部署で仕事ができるわけではなく(民間も同じだが)、自分がやりたいことよりも、組織の都合に振り回される
- さらに、地方だと、特に地元で力を持った人や高齢者の声に振り回されるため、若者の活動、教育を支援することにお金を使えないという現実がある(予算は、人口に占める割合が多い年代に多く使われる)
- ですので、若者の未来を変えたいと思っている方は、役所ではなく民間に行きましょう
この指摘は、こむつまとしては肌感覚的にとても同意できます。
旦那の普段の仕事ぶりを間近で見ていますから。
日本の未来、地域社会の将来はどうなっていくのでしょうか。
ではでは、See you later, alligator.