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こむつまの日記

東京から熊本に移住したごく普通の専業主婦が思い出を消費するブログです。

Wシリーズはすぐアニメ化されそうな予感

森博嗣先生の新シリーズ、Wシリーズの第一作、「彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone?」を読みました。

彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? (講談社タイガ)
 

 

舞台は、「人が死なない世界」。

 

作品内で明確に示されてはいませんが、断片的な記述から類推するに200年後、2200年代のお話です。

 

ジャンルを分類すれば、SF作品ですかね。

  

科学技術の発展によって、人間は簡単には死ななくなり、また、たとえ死んだとしても細胞さえ残っていれば、ウォーカロン(アンドロイド)として再び生活することができるという時代です。

 

確かに現代の発達する医療・科学技術は、私たちの寿命を着々と延ばしています。

 

また、遺伝子研究も進み、人工的に細胞や生物を創りだすことも可能な時代が近づいています。

 

ですので、森先生が描く200年後の世界は、決して荒唐無稽なものではなく、スラスラと読み進めることができます。


この世界では、人が死なないだけでなく、産まれることもありません。

 

ウォーカロンが増えていくだけなのです。

 

この「人が産まれない」という現象が物語のポイントになっています。

 

人間が減少する一方で、科学技術の発展とともに進化していくウォーカロン

 

ウォーカロンは少しずつ人間に近づいていき、人間は少しずつウォーカロンに近づいていきます。

 

人間とウォーカロンの違いをはっきりとさせることによって、よりウォーカロンを人間に近づける技術が進むという矛盾が生まれるのです。

 

「人間とは何か」という非常にシンプルかつ哲学的なテーマを持った作品とも言えます。

 

 

ここまで読んできてお気づきの方もいるかもしれませんが、この「人間とは何か」というテーマは、フィリップ・K・ディック氏の名作、「アンドロイドは電気羊の夢をみるか?」のテーマと重なります。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

 

 

森先生は自作の中に、いつも他の小説家の著作から引用文を載せるのですが、実際、本作品には「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」が引用されているのです。

 

少し脱線して、「電気羊」の作品紹介もしましょう。

 

「電気羊」は映画「ブレードランナー」の原作としても有名です。

 

原作を読んだことはなくても、タイトルだけは知っている人、映画だけは見たことがある人は多いのではないでしょうか。

 

最終戦争後、放射能が溢れ死の星となってしまった地球。

 

人類の一部は火星へ移住し、その火星では人間と見分けがつかないほど精巧なアンドロインドが奴隷としてこき使われています。

 

基本的にアンドロイドは人間の従属下に置かれるものであり、人権はもちろんありませんし、人間に成りすますことも禁止されています。

 

主人公リックは、地球で暮らしながら、アンドロイド殺しの賞金稼ぎを生業としています。

 

そんなリックはある日、火星から逃げてきた6人のアンドロイドを殺す依頼を受けることになります。

 

リックは依頼を遂行していく中で、様々な人物と出会い、「人間とアンドロイドは異なる」というこれまでの概念を覆されます。

 

人間らしいアンドロイドもいれば、アンドロイドらしい人間もいる。

 

人間のフリをしているだけでなく、偽の記憶を植え付けられ、本当に人間だと思い込んでいるアンドロイドもおり、やがてリックは自分自身さえも疑うようになります。

 

自分は人間なのか、アンドロイドなのか。

 

そもそも人間とは何なのか。

 

作品のオチや「電気羊」の意味などを知りたい方は、是非本書を読んでみることをお勧めします。

 


さて、「彼女は一人で歩くのか?」に話を戻しましょう。

 

本Wシリーズもまた、S&Mシリーズなどと同様にキャラ萌えです。

 

主人公のハギリは研究者(またか!)であり、落ち着きのある論理的な人間です。

 

そんなハギリと、もう一人の主人公とも言うべき若い女性ウグイとの、淡白でときに人間味あるやりとりに萌えるのです。

 

そして見え隠れする真賀田四季という天才。


森先生のホームページを見ると、Wシリーズは10冊程度を予定されているようで、既に次の2冊、「魔法の色を知っているか?」「風は青海を渡るのか?」は脱稿済みとのこと。

 

早く続きが読みたいです。

 

ではでは、See you later, alligator.

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