サバイバルタイムを生き抜くためのセルフブランディング
本日は、こちらの本のご紹介。
肩書き捨てたら地獄だった - 挫折した元官僚が教える「頼れない」時代の働き方 (中公新書ラクレ)
- 作者: 宇佐美典也
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2014/12/09
- メディア: 新書
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宇佐美典也氏の著作、「肩書き捨てたら地獄だった - 挫折した元官僚が教える「頼れない」時代の働き方」です。
本書は、タイトルからも分かるとおり、東大を卒業し・経産省のキャリア官僚であった著者が役所を辞め、独立して今に至るまでの苦労話を綴っています。
一見順調な役人生活の中で、不満というか、このままではいけないのでは?というモヤモヤとした思いを抱えていた筆者は、震災を機に独立し、ゼロから起業する道を選びました。
そして、そこから、タイトルにあるような、地獄の生活へまっしぐらとなります。
「経済産業省の官僚」という肩書を捨て、「宇佐美典也」という一個人になった筆者に対し、容易に仕事を供給してくれる会社もなく、貯金を食いつぶし、最後は部屋の中にいるゴキブリと会話するような精神状態にまで落ちて行く。
最終的には、元官僚としての知識やスキルが活かせる、エネルギー関連のコンサルの仕事が舞い込むようになり、徐々に人脈も広がり、いくつかのプロジェクトを立ち上げ、今に至るわけですが、筆者は当時の心境を、
「どんな状況になろうが生き抜いてやる」
「サバイバル」
と表現されています。
結局、独立して、その後成功するかどうかは、このようなプライドを捨てた、生き残るための強い意志が持てるかどうかにあるのでしょう。
独立して成功した人が書いた本は巷にも沢山ありますが、ここまでボロボロの状況を表現した本も少なく、そういった意味では非常に貴重な本だと思います。
さて、ここまでが本書の前半になります。
地獄に落ちた筆者がどうやって立ち直っていくんだろうと、ワクワクしながら読み進める、いわゆるサクセスストーリーなのですが、本書の後半もまた面白です。
筆者は、きたるべき、日本崩壊の日を予見して、「これからの働き方」について考察を深めていきます。
これからは国も、企業も頼れない、そんな時代になっていく。
そんな「組織を頼れない時代」をどうやって生き抜くか。
筆者(1981年生まれ)とこむつまは同年代です。
私たちの世代は、これまでの世代のシステム、つまり終身雇用と年金制度を前提とした「ひとつの会社で現役を終え、その後は年金で暮らす」というシステムに乗っかることはできません。
このシステムは近い将来崩壊するからです。
そして日本はサバイバルタイムに突入します。
本書では、そのような時代において、組織に頼らない独立自尊の働き方・生き方をするための準備として、「セルフブランディング」に努めることを勧めています。
こむつまの「セルフブランド」っていうと何があるんだろうか。
「自分はこれができる!そして、そのできることで家族を養い、生きていく!」
と、高らかに宣言できるものが、正直、まだ今のこむつまにはありません。
一専業主婦という裸の自分と向き合い、セルフブランディングについてしばらく考察してみたいと考えさせられる良書でした。
サバイバルタイムを笑いながら楽しく生き抜いていく、そんなことができるようになるために。
ではでは、See you later, alligator.