「よそ者、若者、ばか者」論では地域を変えることはできない?必要なのは経営力!
熊本という地方都市に暮らすこむつまは、地域産業の振興について書かれた本をよく読むのですが、そのような書籍を読んでいますと、「まちおこし」や「むらおこし」の現場では、今でも「よそ者、若者、ばか者」論が定理となっているように感じられます。
地域の現状を変革するのは、
- 外部からの客観的なものの見方ができる「よそ者」
- しがらみなくチャレンジできる「若者」
- そして信念を持ち、活動に打ち込める「ばか者」
の3つであり、全国で地域おこしに成功した土地には必ずこの3種の人材がいる、というものです。
地域にまず「ばか者」がいて、最初はだれにも相手にされなかったが、U・I・Jターンしてきた人(よそ者)が参加し、ついには若者も巻きこんで大きな流れになった、という成功パターンをまとめた本がとにかく多いのが実情です。
事例が多いということは、一面の真実があるということでしょう。
しかし、以下のようにも考えられるのではないでしょうか?
- 「よそ者、若者、ばか者」は確かに地域にいたが、失敗した例もある。ただし、失敗事例は知られることがないので、成功例だけが書籍等に取り上げられ、外に伝わった。
- 「よそ者、若者、ばか者」は地域にいなかったが、成功した。しかし定理から反しているため、後付けで「よそ者、若者、ばか者」の役割が創造された。
さて、なんでこのようなことをぼんやり考えたのかと言いますと、以下の本を読んだからです。
本書のタイトルは「まちづくりの『経営力』養成講座」ですが、まちづくりは、まちおこし、地域産業の振興などと読み替えることができます。
内容は経営学と経営戦略論のエッセンスで、専門的知識がある人以外にはやや難しいかもしれません。
こむつまも読むのに相当苦労しました。
現在、全国的によく取り組まれている「まちおこし」や「むらおこし」は、地域の特色を活かした商品を産業化するためのマーケティング、商品企画、生産・流通の工程が必要であり、従来の「よそ者、若者、ばか者」は特定個人に依存する属人的な発想から抜けられなくなるという意味で、むしろ有害だと個人的には考えるようになりました。
そうではなくて、これらを各人で分担し、それをマネジメントすることが必要なんですね。
活動を事業にまで掘り下げていくのかどうか、また、「よそ者、若者、ばか者」でなく、「リーダー」「マネージャー」をどう見つけ、育て、活躍してもらうかが問題となっているのです。
当たり前ですが、まちおこし・むらおこしも、「まずやってみる」、「成功したものは横展開していく」というゲリラ戦から、全員で取り組む組織戦に進化しなくては成長しないわけです。
そのために必要なのが「経営」であり、さらにその経営を「革新」していくことが求められます。
要するに、「経営力」を高めていくことが不可欠なのです。
本書を読み込んで使いこなす「リーダー」と「マネージャー」が、今の地域では必要とされているのではないでしょうか。
ではでは、See you later, alligator.