こむつまの日記

東京から熊本に移住したごく普通の専業主婦が思い出を消費するブログです。

こだまでしょうか、いいえ、誰でも。―金子みすヾ詩集選

夏に種をまき、ベランダで大切に育てていたコスモスが開花しました。

季節はもうすっかり秋ですね。

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こちらは旦那が育てている寄せ植え。

花の名前は忘れてしまいました。

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昨日食べたバースデーケーキ。

誰の誕生日だったのでしょうか。

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金子みすヾさんの詩が好きで、詩集を時々読み返します。

彼女の死から80年以上経っているわけですが、その詩はまったく古びず、今、目の前で作られ、読まれたもののように自然に心へ入ってきます。

こだまでしょうか、いいえ、誰でも。―金子みすヾ詩集選

こだまでしょうか、いいえ、誰でも。―金子みすヾ詩集選

 

 

東日本大震災の直後にかなりの頻度で放送されていたACのCMに登場した「こだまでしょうか」は皆さんの記憶に新しいでしょうし、Eテレの「日本語であそぼ」でも「大漁」や「私と小鳥と鈴と」などが良く紹介されるため、小さいお子さんのいるご家庭では、彼女の詩を結構な確率で目にしているかと思います。

 

以下、そんな素敵な詩の数々です。

 

こだまでしょうか

 

「遊ぼう」っていうと

「遊ぼう」っていう。

 

「馬鹿」っていうと

「馬鹿」っていう。

 

「もう遊ばない」っていうと

「遊ばない」っていう。

 

そうして、あとで

さみしくなって、

 

「ごめんね」っていうと

「ごめんね」っていう。

 

こだまでしょうか、

いいえ、誰でも。

 

大漁

 

朝焼小焼だ

大漁だ

大羽鰯の

大漁だ。

 

浜は祭りの

ようだけど

海のなかでは

何万の

鰯のとむらい

するだろう。

 

私と小鳥と鈴と

 

私が両手をひろげても、

お空はちっとも飛べないが、

飛べる小鳥は私のように、

地面を速くは走れない。

 

私がからだをゆすっても、

きれいな音は出ないけど、

あの鳴る鈴は私のように

たくさんの唄は知らないよ。

 

鈴と、小鳥と、それから私、

みんなちがって、みんないい。

 

雀のかあさん

 

子供が

子雀

つかまえた。

 

その子の

かあさん

笑ってた。

 

雀の

かあさん

それみてた。

 

お屋根で

鳴かずに

それ見てた。

 

蜂と神さま

 

蜂はお花のなかに、

お花はお庭のなかに、

お庭は土塀のなかに、

土塀は町のなかに、

町は日本のなかに、

日本は世界のなかに、

世界は神さまのなかに。

 

そうして、そうして、神さまは、

小ちゃな蜂のなかに。

 

星とたんぽぽ

 

青いお空の底ふかく、

海の小石のそのように、

夜がくるまで沈んでる、

昼のお星は眼にみえぬ。

 見えぬけれどもあるんだよ、

 見えぬものでもあるんだよ。

 

散ってすがれたたんぽぽの、

瓦のすきに、だァまって、

春のくるまでかくれてる、

つよいその根は眼にみえぬ。

 見えぬけれどもあるんだよ、

 見えぬものでもあるんだよ。

  

巻末手記

 

―できました、

  できました、

  かわいい詩集ができました。

 

我とわが身に訓うれど、

心おどらず

さみしさよ。

 

夏暮れ

秋もはや更けぬ、

針もつひまのわが手わざ、

ただにむなしき心地する。

 

誰に見しょうぞ、

我さへも、心足らはず

さみしさよ。

 

(ああ、つひに、

登り得ずして帰り来し、

山のすがたは

雲に消ゆ。)

 

とにかくに

むなしきわざと知りながら、

秋の灯の更くるまを、

ただひたむきに

書きて来し。

 

明日よりは、

何を書こうぞ

さみしさよ。

 

ではでは、See you later, alligator.

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